2025年3月19日「WASEDAものづくりプログラム2024」の最終成果報告会を開催しました。
この「WASEDAものづくりプログラム」は、本学理工系学生の独創的なアイデアを教職員の指導・サポートのもとで学生自身がカタチにする創造力強化プログラムです。
通常の授業や実験とは違い、学生が主体的にアイデアを具現化しながら、知識と技術の融合、課題解決力、発信力、そして協働力を実践的に養う教育効果が期待されます。
今年度は、最終審査において12チームがプレゼンテーションおよびポスターセッションを行い、“企画”、”発表”、”成長”、”製作物”の5つの観点から審査が行われました。
なお、本プログラムはWASEDA理工パートナーズの後援で実施しており、最終成果報告会では参加企業のみなさまにも審査に加わっていただきました。
【ものづくり大賞:ものづくり奨励金20万円】
patr-owl(パトロオウル)
玉山 康次郎(総合機械工学科3年)、片桐 萌音(総合機械工学科3年)、林 浩次郎(総合機械工学科3年)
本プロジェクトでは、エンタメ用途が中心だったアニマトロニクスに「監視(見守り)」機能を加え、新たな価値を創出する。試作機「patr-owl」は、フクロウの特徴である首の可動域や鋭い視線を活かし、カメラと機構制御により人物を追視・見守る動作を実現。イベントでのアイキャッチや、商業施設・キッズスペースでの軽度な防犯用途など、実用性と親しみやすさを両立した新しい見守りロボットとしての活用が期待される。
【技術奨励賞①:ものづくり奨励金10万円】
GeoScouter
益田 隆太郎(総合機械工学科3年)、石渡 凌太(総合機械工学科3年)
雨の日に傘をさして歩いて スイセンの花が咲いているなあとか 晴れの日に木漏れ日を見ながら 落ち葉の色が去年より鮮やかだなあとか あなたはどうやってそういったことに気が付いて、言葉にできるようになりましたか。私たちが作ったロボットは、子供たちの自然環境体験をより楽しく、ワクワクさせることを意図しています。
【技術奨励賞②:ものづくり奨励金10万円】
学びあるネジ仕分け器
渡邉 開(電子物理システム学科3年)、岩田 敏昌(総合機械工学科3年)
今回、私たちが「学びあるネジ仕分け器」を製作したのは、所属する「早稲田大学ROBOSTEP」というロボコンサークルのためです。予算の問題から「早稲田大学ROBOSTEP」では、大会終了後、機体を解体してネジを再利用しています。その際に分別するネジの本数は数百以上にも及びます。
今回製作した機械はネジの仕分け作業を代替するだけではありません。昨今はAIなどの高度なソフトウェアに注目が集まっていますが、からくりのようなメカニックの面白さも体験して欲しいという思いから、体験型アトラクションの要素も取り入れました。
だからこそ、「”学びある”ネジ仕分け器」なのです。
【アイデア賞:ものづくり奨励金5万円】
光るジャグリング道具 ~多くの人にエンタメを!~
吉岡 美涼(総合機械工学科3年)、林 浩次郎(総合機械工学科3年)
ジャグリングやバトントワリング,ダンスは観客と演者,観客同士,演者同士が楽しさを共有できる一方で,知識や経験の有無によって共有の程度に差が生じるという課題があります。そこで本企画では,シガーボックスに技に応じた光の変化と,観客のうちわの動きに応じた光の演出を加えることで,誰でもその場の楽しさを共有できるようにしました。技や観客の行動に反応して光り方が変わる点が特長で,よりリアルタイムな一体感を生み出すことを目指しています。
【特別賞①:ものづくり奨励金2.5万円】
Pointing Glove
志村 康博(応用物理学科2年)
本企画は、従来対応が難しかった27〜34インチのモニターにも対応可能な、後付けのタッチ操作デバイスの開発を目的とする。ユーザーが装着する角度センサーとUWB通信を用いた位置測定デバイス、さらに専用ソフトを組み合わせることで、モニターサイズに依存せずタッチ操作を可能とする。角度センサーは指の関節の動きをもとに指先の位置を算出し、UWBデバイスは手の甲の位置を高精度に測定することで、画面上のタッチ位置を推定する。状況に依存せずタッチ操作を可能とする後付けデバイスの開発を目指す。
【特別賞②:ものづくり奨励金2.5万円】
カワイソ〜可哀想なカワウソ〜
石井 聡(表現工学科3年)、武田 あかり(表現工学科3年)、真鍋 皓(表現工学科3年)
可愛いものに攻撃したいと感じる「キュートアグレッション」に着想を得て、ぬいぐるみを握り潰す行為に正当性を持たせ、可愛さ・不憫さ・助けたい気持ちのジレンマを体験できる作品を制作した。PUSHボタンを押すとレベルが上がり、振動や発光、音によるフィードバックが発生し、最終的に骨を吐き出してカワウソを救う構成となっている。回路の小型化と半田付けにより内部に全機構が収まり、3Dプリンタによる専用部品でLEDの固定も実現した。