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ものづくり工房 設立の経緯

実践力を身につけるための『WASEDAものづくり工房』

社会人に求められている基礎力に「実行力」「課題発見力」「創造力」が挙げられ、また、「主体性」や「働きかけ力」などの「前に踏み出す力」が現状の若手社会人に不足していると言われています(1)。こういった能力を身につけるには試行錯誤を繰り返し、アイデアを実現していく「ものづくり」のプロセスが有効ですが、比較的安価でモノが買える時代になったり、興味の対象が多様化していることなど、ものづくりの機会が減少しているのが現状です。都市部においては、ものづくりのスペースに制限が多いということも一因と考えられます。

そこで、『小さなやってみたい』から『本格的なものづくり』まで、さまざまなアイデアを実現できる環境として、「WASEDAものづくり工房」を設置することとしました。「ものづくりができるスペース」と「アイデアを具現化する機器装置」といった基本機能のほか、自発的にものづくりに取り組みたくなる企画の実施や総合大学の強みを活かした人的ネットワークの構築を支援する役割も担い、より高い「発想力」「人的ネットワーク力」「積極性」「実行力」を身につけた高い志を有する学生の育成を目的としています。

(1)「企業の求める人材像」調査結果 経済産業省2007年実施

早稲田ならではの特徴

学生と共に創り上げるものづくり環境
工房予定場所を見学するプロジェクトの学生

工房予定場所を見学するプロジェクトの学生

工房の設立に先立ち、ニーズ分析、機器装置の選定、レイアウト・空間デザイン、運営方法などについて考える学生参加型プロジェクトを実施しました。プロジェクトの登録学生は47名であり、理工系学部の学生が中心ではありますが、文化構想学部や教育学部、商学部など文系学部の学生もメンバーに入って活動をしました。このプロジェクトを皮切りに、今後も様々な学生参加型プロジェクトを実施し、多様な視点からのアイデアを活かした「ものづくり環境」を整備していきます。

※詳細 >> ものづくり工房設立に向けた学生参加型プロジェクトの実施(pdf) [早稲田大学技術部技報2010]

多様な視点に触れることのできる環境

早稲田大学には、さまざまな学部・学科の学生が所属しており、また多種多様なものづくり系サークルが活動しています。これらの学生が工房に集まり活動することで、互いに相談しあえるなど多様な視点に触れることのできる環境づくりをしています。

都市型キャンパスの利点を活かす

都市型キャンパスの利点のひとつに「様々な部品が手に入りやすい」点が挙げられます。例えば、多様な電子機器や部品を取り扱う商店が建ち並ぶ電気街・秋葉原も近隣にあり、既にものづくり系サークルの学生はよく足を運んでいます。今後はこういった学生の持っている情報を共有し、広く一般の学生もものづくりがしやすい環境を整えていきたいと考えています。

また、都心には多くの企業が集まっており、「社会連携の機会が豊富」という利点もあります。工房設立初年度(2009年度)からローム株式会社との連携教育プログラムとして、「WASEDAものづくりプログラム」を進めており、アイデアを募り、その実現に向けた活動を支援するプロジェクトも実施しています。